夏を送るサイダーと俺 プロローグ
どうも皆さん、初めまして!かものかもです!念願のブログ第一号、自作小説です。
これから一話ずつ公開していくのでどうぞヨロシク!それでは本編をどうぞ!の前に、題名は仮です…。そのうち考えます。今度こそ、それでは本編をどうぞ!
夏を送るサイダーと俺
プロローグ
理解できない…。言われていることは分かるが、今の状況が全く理解できない。
「動くな!そのまま両手を頭のところまで挙げろ!」
なんでだ?黒いスーツを着たやつらが俺を囲んでいる。しかも俺に銃を向けて。警官なのか?なんで警官が俺のところに…。
警官の声がひときわ大きくなった。慌てて両手を上げる。
「よし…そのままだぞ…。」
坊主の警官がほかの警官に顎で指示をする。
「ポケット。」
突然の声に思わず肩がビクッと跳ね上がる。人間の声ではなかった。歌でも歌っていそうな冷たい女性の合成音声だった。
うつむくようにして自分のズボンのポケットを見ると、右のポケットだけ四角く盛り上がっていた。
「とれ。」
再び合成音声の声がしたと思いきや、なんという無茶ぶり。警官に銃を向けられている状況で、ポケットに手を突っ込むのは自殺行為だ。
どうしようかと迷っていると、
「とれ。」
と今度は圧力たっぷりの声だった。仕方なくゆっくりと右手をおろす。そのままポケットに手を入れようとした時だった。
「おいっ!何してる!手を挙げろと言ってるだろ…撃つぞ!」
俺の動きに気付いた坊主が焦り気味に怒鳴る。それでもポケットから物を取り出そうとする俺を見て、1人が撃鉄を引いた。
カチャリという冷たい鉄の音とともに、”死”が俺に寄りかかる感じがした。
虫一匹さえ鳴かない、重すぎる沈黙に手が震える。声が聞こえてから1分しかたっていないだろうに、1時間たったような感覚だ。
あともう少しだ…。もう少しで取り出せる…。そんな時、坊主と目が合った。
乾いた音が響き、胸の激痛とともに平衡感覚が失われる。もう自分が立っているのか、倒れているのかわからなかった。というより、どうでもよかった。
迫りくる”死”とそれに対する恐怖が俺全体を支配していた。
意識が遠のいていく中、
「タバコ…?」
という警官の声だけが聞こえた。
いかがだったでしょうか?お風呂中や寝る前、散歩中に考え、練ったお話です。次は第一章一話目と一緒にプロローグのおふざけVer.も投稿したいと思います。
それでは次のお話でお会いしましょう!