夏を送るサイダーと俺 第一章④ 不審者
皆さんこんにちは!かものかもです!今回は「夏を送るサイダーと俺」の
第一章の4話目です。とうとうきてしまった…。「ネタ切れ」というものが!思ったより早かった…。
夏を送るサイダーと俺
第一章
不審者
砂浜、駄菓子屋、スナック、カフェなどの現代の女子高生なら行きそうな場所を探したが、あのJKは見当たらなかった。
「なんだよ、どこにもいねぇじゃんか。….ん?」
自分の当てが外れたことにいらっとしつつ帰り道を歩いていると、不審な人物を見つけた。
セーラー服の少女が、俺の店のカウンターから身を乗り出して中をのぞいている。
「アイツ…。」
気づかれないように足音を消しながら不審者に近づいく。
「おい!」
「ひゃぁっ!」
いきなり後ろから声をかけられた不審者は飛び上がり、その勢いで店の中に転がっていった。
「だ…大丈夫か?」
思わぬ結果に恐る恐る店の中をのぞいてみる。いろんなものが散らばっていた。
「いててて…。はっ!べべ..別に何もしてないから!」
顔を真っ赤にして慌てたように言い訳をする少女。さっきのJKだった。
「ご無事で何より。…店、ちゃんと片付けろよ。」
「お、おまえか!驚かすなよ!こうなったのもあんたのせいだからねっ!」
なんと醜いことに、人のせいにし始めた。しかし、店の中をかたずけようとしているので自分も店の中に入り、手伝うことにした。
「あ、ありがと…。」
「へぇ、素直なとこもあるんだな。」
「どうだっていいだろ、そんなの!」
つかんでいたティッシュの箱でたたいてくる。その手首にはいくつかの切り傷があったが、見なかったことにした。
「別に、なんか盗もうとしてたわけじゃないから。」
散らばっていたものが片付き、一息ついた時のことだった。JKがきまり悪そうに口を開いた。
「タバコを見てたんだろ。わかってるよ。」
俺の店のタバコはなぜかみんな欲しがっていた。これまでの死者は大人たちだったから、生前はタバコを吸っていたのだろうとしか思っていなかった。
しかし、このJKも欲しがるとなると何か特別なタバコなのだろう。もう一つ不思議なことに、タバコに火をつけるライターはこの世界に自分が持っている一つしかない。
ここを訪れる死者が全員タバコを吸うとなると、自分が持っているライター一本で足りるのか、正直不安だった。そして自分はいつまでこの仕事をしないといけないのだろうか。
そう考えていると、自然とため息が出る。
「んだよ、ため息なんかついて。」
「この仕事、きついんだよ。」
「ふぅん。」
この時のJKの顔はなんだか懐かしく感じられた。
いかがだったでしょうか!書いては消してを繰り返し、3時間かけて書きました。この文字数で3時間は、時間かかりすぎだなぁ…。
今回で第一章は完結です。次は第二章でお会いしましょう!